夜の岡山城を歩く

お盆のある夜、岡山城に行ってきました。
この時期の岡山城は夜間も開館していて、ライトアップされた天守にのぼることができます。昼間のお城には何度も行ったことがありますが、夜のお城は少し特別です。
夜の空に浮かび上がる岡山城は、昼間とはずいぶん違った表情を見せます。天守から眺める岡山の街も、いつもとは違って見えます。
そして私が好きなのは、むしろお城を出たあとの時間です。
城内を歩いていると、明るく照らされた天守から少し離れるだけで、辺りはぐっと暗くなります。もちろん現代なので街の灯りは見えるのですが、石垣のそばの薄暗い道を歩いていると、「昔の人たちも、夜になるとこんな感じの中を歩いていたのかなあ」と想像したくなります。
歴史的な建物は、昼間に見るとどうしても「見学するもの」になりがちです。でも夜になると、少しだけそこに暮らしていた人たちの時間に近づけるような気がします。
岡山城周辺を歩いていて、もう一つ素敵だと思うのが、歴史的なものが「昔のもの」として切り離されず、今の街の中に自然に残されていることです。
岡山県立図書館は、岡山城の石垣や堀の遺構を残しながら建てられています。岡山県庁が建っている場所も、かつての岡山城二の丸。近くにある林原美術館も二の丸の対面所跡にあり、今も残る石垣の中に、江戸時代の長屋門や蔵、そして現代の美術館が共存しています。
古いものをすべて「昔の姿」に戻すのでもなく、壊して新しいものに置き換えるのでもない。
昔からそこにあるものを残しながら、その中で図書館を利用したり、県庁で仕事をしたり、美術館を訪れたりする。
そんなふうに、歴史の上に今の暮らしが続いている街というのは、なかなか素敵だなと思います。
昼間の岡山城ももちろんおすすめですが、機会があれば、ぜひ夜にも。
少し薄暗い石垣のそばを歩きながら、何百年か前の岡山の夜を想像してみるのも楽しいですよ。 黒田 2026.9.2







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